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2010 年度 実績報告書

元素合成に関わる中性子過剰核のβ崩壊の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19340074
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

西村 俊二  独立行政法人理化学研究所, 櫻井RI物理研究室, 先任研究員 (90272137)

キーワード元素合成 / β崩壊 / 中性子過剰核 / R過程
研究概要

CAITEN装置:2010年末、Caビームを利用したインフライト・ビーム実験が実施された。このキャンペーン実験で生成された中性子過剰な原子核(RD)は、最下流で不要となるため、RIを再利用したβ崩壊一括測定実験を初めて実施した。大強度ビームにおいてその威力を発揮する革新的な半減期測定装置(CAITEN)、γ検出器(Ge検出器,LaBr3検出器)、中性子検出器(液体シンチレータ)を組み合わせることにより、高統計・高精度βスペクトロスコピー実験を実現可能とした。長期実験(約1ヶ月)の測定により、かつてない広範囲の中性子過剰な原子核(Ne,Na,Mg,Al,Si)のβ崩壊測定実験に成功した。データ解析の結果、非常に中性子過剰な原子核の遅発γ線に威力を発揮することを確認した。
半導体検出器:2009年末のUビームを利用した最初の元素合成に関わるβ崩壊実験のデータ解析を進めた。その結果、非常に中性子過剰な38個の原子核(Kr~Tc)の半減期測定に成功した^※。内、18個の寿命測定は世界初。これまでの理論予想との系統的な比較の結果、ZrとNb(Z=40-41)は予想よりも1/2~1/3も寿命が短いという非常に興味深い結果を得た。これは、「予想以上に速くr過程が進んだのでは?」という効果を示唆し、最初のr過程に関する実験的成果となる。
※Phys. Rev. Lett. 106 (2011) 052502-1~5.
中性子検出器:中性子検出効率の定量的な評価を行うために、MCNP解析コードを導入したシミュレーション計算を進めた。その結果、β線検出器の周囲を覆う検出器・設計が鍵を握ることがわかった、また、小型で高性能の飛行時間検出器型中性子検出器のアイディアを得た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] β-Decay Half-Lives of Very Neutron-Rich Kr to Tc Isotopes on the Boundary of the r-Process Path : An Indication of Fast r-Matter Flow2011

    • 著者名/発表者名
      S.Nishimura, et al.
    • 雑誌名

      Phys.Rev.Lett.

      巻: 106 ページ: 052502(1-5)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Low-Lying level structure of the neutron-rich nucleus ^<109>Nb : A possible oblate-shape isomer2011

    • 著者名/発表者名
      H.Watanabe, et al.
    • 雑誌名

      Phys.Lett.B

      巻: 696 ページ: 186-190

    • 査読あり
  • [雑誌論文] First Decay Spectroscopy Experiment at RIBF2010

    • 著者名/発表者名
      S.Nishimura
    • 雑誌名

      AIP Conference Proceedings (OMEG 10)

      巻: 1269 ページ: 91-97

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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