超新星爆発など中性子が大量に放出される爆発的元素合成(r過程)において、重要な役割を果たしたと考えられる非常に中性子過剰な原子核(質量数A~110 : Kr-Tc)のベータ崩壊の実験を行った。38個の中性子過剰な原子核の半減期を精度よく測定することに成功した(内18個は初)。標準的理論予測との系統的な比較の結果、ジルコニウム、ニオブ(Z=40,41)は2倍以上速く崩壊することが明らかになった。これは、r過程のプロセス速度が想定以上に速く、質量数 A=110~125近傍の1桁以上も少ない生成量の謎を解く重要なヒントを得た。
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