研究課題/領域番号 |
19340087
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小野寺 秀也 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50005972)
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研究分担者 |
倉本 義夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70111250)
高木 滋 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20154750)
松岡 英一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (20400228)
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キーワード | 軌道秩序 / 反強四極子秩序 / 反強磁性秩序 / 反強八極子秩序 / 磁気構造 / 磁気相転移 / 磁気相図 / 立方晶パラジウムブロンズ |
研究概要 |
本研究は、4f電子の多極子相互作用の競合がもたらす物性の解明を目的とし、本年度は下記の成果が得られた。 1.反強八極子と反強磁性秩序の同時転移が発現するTbB_2C_2のGd希釈によって生じる転移の分離が粉末中性子回折によっても確認され、TbB_2C_2の異常な反強磁性磁気構造が反強八極子秩序に由来することを明らかにした。 2.Gd希釈TbB_2C_2の磁場誘起相(反強磁性、反強四極子、反強八極子共存相)には多極子の秩序-無転移秩序転移に由来する新しい相が出現することを発見した。これは多極子競合系の新しい相転移であることが期待される。 3.立方晶パラジウムブロンズPrPd_3S_4が多極子秩序を示すことを明らかにし、さらに中性子回折によって秩序変数は反強八極子であり、それに反強磁性モーメントが随伴することを見出した。 4.同じ構造のTbPd_3S_4はTbB_2C_2と同様に反強八極子と反強磁性秩序の同時転移が発現し、加えて磁場によって反強四極子秩序が誘起されることを発見した。 5.さらにCePd_3S_4は反強四極子秩序と強磁性秩序が同時に発現する化合物であることを見出した。強磁性と反強四極子の共存する化合物の発見はCePd_3S_4が初めての発見例である。
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