研究概要 |
この研究プロジェクトのはじめに,我々はエピタキシャル酸化物薄膜電界効果トランジスタの作製プロセスを改善し,発展してきた。主な工程としてデバイスサイズをチャネル長100μ,幅500μから長10μx幅50μへの縮小を行った。このデバイス縮小はスイッチング特性を恒常的に得るために重要であった。 また電界効果を利用して相転移を誘起させるためには高電界を印加する必要があり,そのために高度な絶縁特性を持つゲート絶縁膜が要求される。更なる絶縁破壊耐圧性を得るために,ゲート絶縁膜をCaHfO3からDyScO3に変えて絶縁破壊特性の評価を行った。 ヘテロ構造酸化物のトランジスタには電荷捕獲現象が見られる。現在,この低温で生じる電荷捕獲を消失させることが可能かもしくは制御可能かを検討している。 また新たな試みとして,薄膜界面層にキャリアが局在する材料に電界効果を応用することを意識して,ラドルッセン,ポッパー型の薄膜成長も行っている。この構造はチャネルとなる界面近傍の極薄原子層内にキャリアを制限することが期待できて,今までの単結晶SrTiO3を利用していたデバイスよりも,非常に高濃度のキャリア変調を実現することが可能であると予想される。
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