研究課題/領域番号 |
19340099
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三宅 和正 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90109265)
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研究分担者 |
鶴田 篤史 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (40397716)
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キーワード | 強相関電子系 / 異方的超伝導 / 臨界価数ゆらぎ / BCS-BECクロスオーバー / 量子臨界現象 / 異常同位体効果 / 反強磁性と超伝導の共存 |
研究概要 |
1.CeやYbを含む重い電子系物質において臨界価数転移点が磁場により誘起されることを理論的に指摘し、いくつかの従来説明が付かなかった実験事実を理解することに成功した。 2.重い電子系超伝導物質CeColn_5がH〜H_<c2>近傍で示す非フェルミ液体的振る舞いは、磁場中の超伝導ゆらぎの効果で反強磁性の出現を抑えていたモード結合項が抑えられた結果、反強磁性の相転移が誘起されると考えることで無理なく理解できることを示した. 3.同じくCeCoIn_5のH〜H_<c2>近傍に現れる、いわゆるFFLO相内において不整合なスピン密度波の誘起される実験事実を、スピン密度波とFFLO型のd波超伝導およびスピン3重項πペアリングとのモード結合項の存在にもとづいて明快に理解する理論的提案を行った. 4.スピン3重項超伝導体Sr_2RuO_4において観測された負の同位体効果係数が、不純物の添加により転移温度が減少するのに伴い、正の値に変化するという異常な同位体効果を斥力起源の超伝導機構の範囲内で矛盾なく理解できることを示した. 5.光学格子上の冷却フェルミ原子系を念頭に、BCS-BECのクロスオーバーについて、3次元引力ハバード模型にクーパーペアゆらぎ、電荷密度波ゆらぎを自己無撞着に決めるFLEX近似にもとづいて議論し、超流動転移温度が大きく抑制されること、またハーフ・フィリングでは粒子・正孔対称性を満たすことを示した.
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