マルチフェロイクMnW04における第二高調波発生による自発電気分極の観測 マルチフェロイクとは、らせん型スピン配列に伴い強誘電性が発現する物質である。これまでに、こうした物質における誘電分極の存在は、焦電流測定等、電場を加えた状態でのみ観測されており、ゼロ電場での自発電気分極を観測した例はなかった。本研究では、第二高調波発生(Second Hamonic Generation:SHG)を用いて、マルチフェロイクのゼロ電場における電気分極の探索を行った。用いたマルチフェロイク物質は可視光領域で透明なMnW04であり、これにNd-YAGレーザーを照射し、出てきた光を液体窒素冷都CCDによって検出した。その結果、SHGに由来する532nm付近にピークを持つスペクトルが得られた。ピークの積分強度の温度依存性は焦電流測定より求められた強誘電分極の温度依存性と一致しており、マルチフェロイクにおけるゼロ電場下での強誘電分極の発生を確認することができた。 スピネル型MnV204における軌道整列と電子構造変化 スピネル型MnV204は、57Kでフェリ磁性転移とVの軌道整列が同時に起こる物質である。軌道整列に伴う電子構造の変化を光学測定によって明らかにするために、光学反射率測定を広いエネルギー箪囲で行い、光学伝導度スペクトルを求めた。その結果、V-V問のモット励起に対応する1.7eV付近のスペクトルが、57kの軌道整列に伴い不連続に増加していることがわかり、3d軌道の軌道整列に伴う電子構造の変化の様子が明らかになった。また、ラマン散乱測定を行い、57k以下で2マグノンラマン散乱によるピークを観測した。 共焦点SHG干渉顕微鏡の開発 共焦点SH渉顕春微鏡を開発し、これを環境計測用擬似位相整合デバイス中の周雛反転分域構造の3次元観察に適用して、デバイスの構造評価を3次元的に行った。
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