過冷却液体・ガラスにおける誘電損失極小かさあげの原因の再検討を行なうために、糖アルコール系物質の精密誘電損失測定を1MHz~20GHzの周波数領域、140K~360Kの温度領域で行った。水素結合性液体における誘電損失極小のかさあげは、局所的分子構造に強く依存することが分かった。分子サイズが小さい場合はNearly Constant Loss (NCL)の寄与は少ないが、分子サイズが大きくなると大きくなる。極小のかさあげは、fast-β過程のような単一の過程に起因するものではないことが結論された。
|