研究概要 |
陸域プレート境界やその周辺で発生した国内外の内陸地震に伴う地殻変動を,合成開口レーダー(SAR)で検出した.いずれの事例でも速報的に得られる震源情報からは予想出来ない意外な地殻変動シグナルが得られ,SARが無ければ見逃されていたであろう.アフガニスタンのチャマン断層では,マグニチュード5の地震の後に1年以上も余効滑りが続いた.1996年鬼首,2007年中越沖,2008年岩手宮城内陸,2008年于田(チベット),2008年〓川(四川省)のいずれの地震でも,一枚の矩形断層で滑り分布を考慮しても説明できない複雑な地殻変動が検出された.複数枚の断層面,傾きや走向の変化,面自体の屈曲といった形状の複雑性が内陸地震では普遍的に存在する可能性が示された.鬼首地震と中越沖地震では本震断層とは離れたところにも顕著な変動シグナルを検出し,非地震性の断層運動で説明した.
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