研究課題/領域番号 |
19340128
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福田 洋一 京都大学, 理学研究科, 教授 (30133854)
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研究分担者 |
池田 博 筑波大学, 数理物質科学研究科, 准教授 (50272167)
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キーワード | 超伝導重力計 / 地球自由振動 / 重力変化 / 地球潮汐 / 赤道域 / インドネシア / 陸水変動 / 海洋変動 |
研究概要 |
2008年11月よりインドネシア・チビノンのBAKOSURTANALで開始した超伝導重力計(SG)観測は、現地でのテスト観測・調整を重ね、また、地下水位や降雨の観測も開始し、2009年7月には良好なデータが得られるようになった。しかし、同年9月に生じた停電のため冷凍機が停止し液体ヘリウムが失われたため、SGが機能しない状態となった。本年度の最大の目標は、このような状態を脱し早期のSG観測再開を果たすとともに、これまでに得られているデータ解析を実施することであった。SG観測の再開については、本体を室温から冷却する必要があること、インドネシアでは液体ヘリウムはシンガポールからの輸入となるため1カ月前の予約が必要なことなどから、安全のため作業を2つの段階に分け、まず、2010年6月上旬に装置の真空引きならびに液体窒素での予冷を行い装置に異常がないことを確認した。その後、7月中旬に液体ヘリウムによる冷却と最終調整を行い観測再開を果たした。その後、落雷によるデータ収録装置の故障などが発生したが、11月および3月に現地での調整を実施し、現時点では、良好なデータが取得できる状態で観測を継続している。これにより、2011年3月11日に東北地方太平洋沖で発生したMw9.0の地震による地球自由振動の記録を現在も続けている。赤道域でこのような巨大地震の記録が得られたのは初めてのことであり、今後、地球自由振動振幅の地域的異方性の研究などに大いに期待が寄せられる。一方、これまでに得られているデータ解析から、高精度な潮汐解析結果が得られると共に、長周期の重力変化と地下水変動の関係を示す結果も得られており、学会等での発表を行った。今後、重力の経年的変化の研究においても、さらに長期のデータ蓄積が望まれる。
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