研究課題/領域番号 |
19340130
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
見延 庄士郎 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70219707)
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研究分担者 |
中村 知裕 北海道大学, 低温科学研究科, 講師 (60400008)
吉田 聡 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, 研究員 (90392969)
小守 信正 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, 研究員 (80359223)
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キーワード | 大気海洋相互作用 / 湾流 / 大気加熱 / 衛星データ / 現業解析データ / データ解析 |
研究概要 |
この繰越(H21年からH22年)を行ったのは,当初予見できなかった事態によって,米国気象学会の学術雑誌であるJournal of Climate誌に予定した、Minobe et al.(201O)の論文による成果のとりまとめがH21年中には間に合わなかったためである。同論文は、H22年7月に出版され、本研究の成果を広く公表することができた。この論文では、衛星データおよび高解像度衛星データの解析によって、西岸境界流に伴う海洋表面水温フロントに対する大気応答に2つの応答モードがあるという提案を行った。ひとつは浅い大気加熱モードで、他の一つは深い大気加熱モードである。浅い大気加熱モードは表面風の収束、対流圏中層の雲、対流圏下層で最大となる上昇風速で特徴づけられ、大気加熱は大気境界層内の顕熱加熱と境界層直上の対流性の潜熱加熱による。深い大気加熱モードは、表面風の収束は比較的弱く、対流圏上層の雲、対流圏中層で最大となり上層でも明瞭な上昇風速に特徴づけられ、大気加熱は対流圏中層に最大値を持つ対流性の潜熱加熱が支配的である。前者は海洋表面水温フロント域において広くみられることが期待されるが、後者が重要となるのは海洋表面水温が特に高い湾流などに限定されると予想した。この提案を受けて、その後海外の研究グループが論文を発表するなど、本研究の成果は国際的な大気海洋相互作用研究の発展に重要な役割を果たしているといえるであろう。
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