研究課題
北欧の3流星レーダーについては、観測データをさらに蓄積して昨年度までの重力波の解析を継続するとともに、背景風の詳細解析を開始した。流星レーダーのエコー受信領域が水平方向に半径200-300kmの広がりを持つ事を利用して、南北1000km以上に広がる水平領域内の背景場の連続的な風速の変化を解析する手法を開発し、背景風の南北構造を示すことができた。従来は個々のレーダーからそれぞれ風速を推定していたが、3台を組み合わせて風速推定を行って地上観測からこのような水平広がりを解析した例は初めての試みである。重力波の伝播特性に大きな影響を与える背景流の構造を示すことができた意義は大きい。得られた成果は学会において報告した。南極においては、昭和基地において流星レーダー観測を立ち上げる予定であったが、南極観測隊の輸送事故により一部の部品が紛失し、昭和基地における2008年度末の観測立ち上げは行うことができなかった。2009年度の終わりに部品を再度持ち込んでの観測立ち上げを試みたが、一部不具合が発生し、残念ながら昭和基地における十分な観測は2009年度には実施できなかった。一方、2010年度に大型大気レーダーが昭和基地に建設予定となった。このレーダーにより極めて高精度の流星エコー観測が可能となるため、それに向けた各種の準備作業を行った。
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Radio Science 45(掲載決定)
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