研究概要 |
大気中の運動量輸送の担い手として、特に中間圏から下部熱圏における平均風速場と温度場の決定に重要な役割を果たす大気重力波を、流星エコー観測により得られる水平風速と温度変動観測から解析する。そのために、以下の観測・研究計画により実施する。 (1)北極域の流星レーダー観測:トロムソ(79N, 19E)、ロングイヤビエン(78N, 16E)、ベアアイランド(75N, 19E)は、ほぼ同一経度に沿った3点のチェーンとなっており、北極高緯度における重力波特性の緯度変化を明らかにする。 (2)南極域の流星レーダー観測:デービス基地、昭和基地は同じ緯度円に存在し、これまで両基地に既設のMFレーダーを用いた平均流や潮汐波の比較研究が行われている。重力波についても経度変化の有無を明らかにし、平均場との関連を探る。 (3)SuperDARNレーダーネットワークを利用した流星観測網構築:同レーダーは両極を取り巻く約20台ほどのレーダーからなる。本来は極域の電離層プラズマ対流観測を目的とするが、研究代表者の開発した流星エコー観測手法により中間圏領域の中性大気研究への積極利用を推進する。
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