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2007 年度 実績報告書

生物起源炭酸塩の生成機構と精密間接指標の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19340146
研究機関東京大学

研究代表者

川幡 穂高  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20356851)

研究分担者 横山 祐典  東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (10359648)
鈴木 淳  (独)産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (60344199)
中島 礼  (独)産業技術総合研究所, 研究員 (00392639)
石川 剛志  海洋研究開発機構, 高知コア研究所, グループリーダー (30270979)
竹内 美緒  (独)産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究員 (20357403)
キーワード生物起源炭酸塩 / 地球環境 / 安定同位体 / 温度計 / 間接指標
研究概要

過去の地球環境を復元する際に用いられる試料としてサンゴや有孔虫等の生物が作りだす殻や骨格などが挙げられる。特に,近年では,サンゴや有孔虫等の炭酸塩生物殻の物質的側面,すなわち同位体,化学組成に注目し,より精度高く水温を推定する手法が開発されつつある。そして,生物起源炭酸塩を用いた研究では,定量的な環境復元に向けての環境支配因子の間接指標(Proxy)の開発,その基礎となる生物鉱化作用(Biomineralization)の研究が併行して進行しており,近い将来ますます発展するものと期待されている。今回,上記の幾つかの因子を精度高くモニターした上で,サンゴの精密飼育実験を行ない,その骨格を分析した。恒温水槽飼育サンゴ骨格の酸素同位体比と水温の関係については,同飼育温度区,例えば飼育温度21℃(誤差0。1℃)の場合,試料によって骨格の酸素同位体比に約1.5パーミルの差がでてしまった。これは温度換算で約6℃に相当する程大きいものである。一方,これを骨格形成速度との関連で解析すると,ばらつきはかなり解消された。これは,酸素同位体比のばらつきが速度論的効果により,説明されることを意味している。このように速度論的効果が発現するのは,換言するとサンゴが同位体交換以上の素早いスピードで石灰化し,その効率が非常に高いためと解釈できるが,これにはアミノ酸が関与しているらしく,アスパラギン酸の相対含有量が生物の活性度の間接指標として使用できる可能性が明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Endolithic aspartic acid as a proxy of fluctuations in coral growth2007

    • 著者名/発表者名
      Gupta, L. P., Suzuki, A. and Kawahata, H.
    • 雑誌名

      JGR Biogeosciences 123

      ページ: Art.No.GO1001.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] サンゴなどの生物起源炭酸塩および鍾乳石の酸素・炭素同位体比にみる反応速度論的効果2007

    • 著者名/発表者名
      鈴木 淳, 川幡 穂高
    • 雑誌名

      地球化学 41

      ページ: 17-33

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 真珠とアコヤ貝の同位体および石灰化過程2007

    • 著者名/発表者名
      川幡 穂高, 中島 礼, 鈴木 淳, 古田 望美
    • 雑誌名

      地質ニュース 632

      ページ: 13-17

  • [学会発表] 温暖な白亜紀における生物鉱化作用2007

    • 著者名/発表者名
      川幡 穂高・山村 充
    • 学会等名
      日本地質学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-10

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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