研究課題
CHIME年代と同位体年代との不一致の原因を解明するために、中国の安微省九華山の花崗岩、吉林省南東部の花崗岩、韓国の京畿地塊の変成岩の地質調査と試料採集を行い、CHIME年代測定と岩石学的解析を実施した。九華山花崗岩の周辺花崗閃緑岩は139-133 Maのジルコン年代、中心部アルカリ長石花崗岩は127.6±5.3 Maのモナザイト年代を持つことを明らかにし、論文に取りまとめて投稿中である。吉林省南東部東の清花崗岩体のCHIME年代は159±5 Maである。このアイソクロンの初生値が0.0030±0.0017で、ThO_2量が小さいほど見かけ年代が古くなるので、208MaのTh-^<208>Pbモナザイト年代は不完全な初期鉛補正に起因することが明らかになった。京畿地塊の片麻岩の245 MaのCHIMEモナザイト年代はコンコーダントで、上部角閃岩相の変成ピークの時期であることを確かめた。華川地域では、片麻岩が1.96-1.83 Gaのグラニュライトに断層で接する。断層マイロナイトと断層に近いグラニュライトは珪線石+カリ長石や菫青石+黒雲母集合体生じる角閃岩相変成作用を受けている。これに対して、断層から3-4km以上離れたグラニュライトには角閃岩相のオーバープリントが認められない。断層マイロナイトと断層に近いグラニュライトの240 Ma変成作用は、高温の245 Ma片麻岩が断層で接したときの、接触変成と結論づけた。また、245 Ma片麻岩は、中朝地塊と揚子江地塊の衝突時に、揚子江地塊の上部地殻がデタッチして中朝地塊に衝上した異地性地質体であることが明らかになった。この研究成果は論文に取りまとめて投稿中である。
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