研究課題/領域番号 |
19340150
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉谷 健一郎 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (20222052)
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研究分担者 |
南 雅代 名古屋大学, 年代測定資料研究センター, 准教授 (90324392)
山本 鋼志 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (70183689)
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キーワード | 微化石様構造 / ピルバラクラトン / チャート / 太古代 / リアフサイクル / 3次元像 / 光合成細菌 / 真核生物 |
研究概要 |
当該年度は、平成20年度から21年度にかけて執筆、投稿した論文の修正等を主に行った。その結果Precambrian Research誌に4編、Astrobiology誌に1編、計5本の査読付き論文(国際誌)を掲載する事ができた。これらの論文で、1)微化石様構造の形態的な多様性がライブサイクルによる形態変化で説明できる可能性、2)微化石様構造の中には有機質膜が保存されているものがあること、3)微化石様構造が炭素だけでなく、硫黄や窒素に富む事、4)微化石様構造を含む黒色チャートが陸水の影響を強く受けた水塊から沈殿した可能性があることを示し、そして5)当該研究費の設備備品として導入したデジタルカメラシステムに画像処理ソフトウェアを組み込むことによって、これまで行って来た通常の顕微鏡観察と2次元像では認識できなかった、あるいは正確に記載できなかった微化石の形態や表面の微細構造、断面形状を3次元像として可視化することができた。微化石様構造の基本的な分類とその起源に関する考察をまとめた最初の論文(Precambrien Research誌に2007年に掲載)での申請者らの主張をサポートし、ピルバラクラトンの太古代チャートに産する炭素質の構造物が正真正銘の化石である事をより明確に示すことができた。すなわち、この微化石が光合成細菌や真核生物である可能性をより強く示唆することができた。これらの成果について9th European Workshop on Astrobiology (Belgium, Burssel)で発表し、良好な反応を得ることができた。
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