研究課題/領域番号 |
19340151
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
兵頭 政幸 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 教授 (60183919)
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研究分担者 |
加藤 茂弘 兵庫県立人と自然の博物館, 自然・環境評価研究部門, 主任研究員 (50301809)
松下 まり子 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (50110804)
糸田 千鶴 太成学院大学, 人間学部, 准教授 (80246800)
三島 稔明 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 技術補佐員 (50448396)
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キーワード | 古地磁気学 / 地磁気逆転 / ショートイベント / 地磁気エクスカーション / 第四紀 / 花粉分析 / 気候変化 |
研究概要 |
○ガウス-マツヤマ地磁気極性境界付近およびマツヤマ初期の地球磁場の詳細復元: 大阪湾1700mコアの深度1410m〜1270mまでの112個の試料の古地磁気分析を行い、ガウス-マツヤマ極性境界と複数回のショートイベント(短期逆転,地磁気エクスカーション)を見つけた。これは、我々のグループが中国黄土高原で見つけている8〜10回のショートイベントの一部を日本でも観測できたと考えられ、ガウス-マツヤマ地磁気極性境界付近で地磁気擾乱が実際の地磁気現象である可能性が高まった。また、既に採取済みの中国黄土高原Baojiにおける中国レスの詳細古地磁気分析により、マツヤマ初期(2.58-1.95Ma)にも4回のショートイベントを見つけた。期間が長いマツヤマ中期(1.77-1.07Ma)にはショートイベントは2回しか起こっていないというBaojiでの観測事実を考慮すると、ガウス-マツヤマ極性境界付近の擾乱がマツヤマ初期にも影響を残している可能性がある。平成20年度の中国黄土高原Xifengにおける試料採取は、19年度の結果を踏まえて、紅粘土-レス境界付近から上位に集中して行うという方針が決まった。 ○ガウス-マツヤマ地磁気境界付近の花粉分析による古気候の詳細復元: 大阪湾1700mコアの深度1410m〜1270mまでの間で、64層準の試料について花粉分析を行った結果、木本花粉化石300個以上検出できた層準は32層準しかなかった。木本花粉化石300個以上検出できた層準でも、ほとんどの層準で化石の保存状態は悪かった。堆積物の年代が古いため風化の影響が出ているものと思われる。現段階では、ガウス-マツヤマ地磁気境界直前に寒冷化が起こっている可能性が見つかっている。今後、花粉含有率と岩相の関係を調べ、花粉データ密度を上げる方策が必要である。
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