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2009 年度 実績報告書

第四紀黎明期の地磁気擾乱-気候とのリンク

研究課題

研究課題/領域番号 19340151
研究機関神戸大学

研究代表者

兵頭 政幸  神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 教授 (60183919)

研究分担者 三島 稔明  神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 学術研究員 (50448396)
キーワード古地磁気学 / 地磁気逆転 / ガウス・マツヤマ境界 / 中国黄土高原 / 第四紀 / 花粉分析 / 大阪湾 / 古気候
研究概要

中国黄土高原Baojiのレス・古土壌層の古地磁気を高密度間隔(最高2cm)で再分析した結果、ガウス・マツヤマ地磁気逆転が28回の小反転を含む地磁気擾乱を伴うことを明らかにした。また、その擾乱期を含む地磁気逆転トランジションはレッドクレイ層直上のレスL33層の中に記録されている。深海底コアの古地磁気データから、逆転に伴う地磁気強度減少はガウス・マツヤマ境界の数万年前から起こっていることが分かっているので、中国黄土高原ではレッドクレイ層の最上部付近ですでに地磁気強度が減少していた可能性がある。温暖気候を示すレッドクレイが突然終わり、寒冷乾燥気候を示すレスが堆積し始め、地磁気擾乱期終了後に温暖湿潤な古土壌層S32の堆積が起こった後、新定義による第四紀が始まる。これら第四紀直前の劇的な気候変化がガウス・マツヤマ地磁気逆転にともなう地磁気擾乱、地磁気減少と何らかの相関がある可能性は極めて高い。Lingtaiにおけるレッドクレイ層からS32層までの古地磁気分析結果もほぼ同様の地磁気擾乱を明らかにしている。さらに、200km離れたBaojiとXifengにおけるマツヤマ・ブリュンヌ境界の古地磁気を使って、多数の小反転現象が岩石磁気的原因に依らないことを実証した。
大阪湾1700-mコアの古地磁気分析から、ガウス・マツヤマ地磁気極性境界をほぼ決めることができた。磁気的に不安定な湖成堆積物のため多数の小反転記録は得られなかったが、小反転の存在は確認できた。花粉分析から、ガウス・マツヤマ地磁気逆転境界はトウヒが卓越する寒冷気候帯に起こっていることが分かった。これにより、中国黄土高原で見つけた古地磁気逆転トランジション層序と古気候層序相関を大阪湾のコアでも確認できた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Multiple rapid polarity swings during the Matuyama-Brunhes(M-B)transition from two high-resolution loess-paleosol records2010

    • 著者名/発表者名
      Yang T., Hyodo M., Yang Z.N., Li H.D., Maeda M
    • 雑誌名

      Journal of Geophysical Research 115

      ページ: doi:10.1029/2009JB006301

    • 査読あり
  • [学会発表] 中国 Lingtai レスセクションにおける Gauss-Matuyama 地磁気逆転記録の予察的報告2009

    • 著者名/発表者名
      三島稔明
    • 学会等名
      地球電磁気・地球惑星圏学会第126回講演会
    • 発表場所
      金沢大学(石川県)
    • 年月日
      20090927-20090930
  • [学会発表] A geomagnetic record of the Gauss-Matuyama polarity transition recovered from an Osaka Bay sediment core2009

    • 著者名/発表者名
      三島稔明
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場(千葉県)
    • 年月日
      20090516-20090521
  • [学会発表] Galactic cosmic ray affects Earth's climate?2009

    • 著者名/発表者名
      兵頭政幸, 招待
    • 学会等名
      Seminar of China University of Geosciences
    • 発表場所
      北京(中国)
    • 年月日
      2009-10-20

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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