研究分担者 |
村山 雅史 高知大学, 教育研究部自然科学系, 准教授 (50261350)
小玉 一人 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (00153560)
三浦 英樹 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (10271496)
中村 恭之 東京大学, 海洋研究所, 助教 (60345056)
河潟 俊吾 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (90244219)
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研究概要 |
白鳳丸KH07-4Leg3航海(平成20年2月)において,南極海リュツォ・ホルム湾沖から採取した海洋コアLHB-3PC(南緯66度,東経40度)の非破壊蛍光X線連続分析,古地磁気・岩石磁気分析,微化石層序解析,地球化学分析を行った.その結果,コア最下部の年代がおよそ65万年前に達すること,複数のタービダイト層が挟在することがわかった.また,生物源オパール量や磁性鉱物の粒径が,約10万年サイクルの気候変動サイクルに同調して変化していることがわかり,海洋表層における生物生産量は間氷期に増大し,氷期に減少していたと解釈される.また,コンラッド海台から採取されたコア(COR-1PC)の堆積物中から産する浮遊性有孔虫の放射性炭素年代測定の結果,コア最下部が約1万年前で平均堆積速度が40cm/kyrに達する珪藻軟泥コアであることが判明した.また,上記航海中に行った地形・地層探査,および,反射法地震波探査のデータ解析の結果,コンラッド海台南西斜面には巨大砂丘様ベッドフォームであるマッドウェーブが存在することが判明した.このマッドウェーブの比高は約30mであり,波長は数百mに及び,水深2000〜3200m付近にのみ存在する可能性が高い.サイスミックプロファイルからは,海底下の反射面にも同様の構造が認められ,調査海域の北部域で特に顕著である.このような深海底のマッドウェーブは,南極底層水(AABW)影響を反映していると考えられる.
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