研究概要 |
本年度は初年度ということで、まず、マルチコレクターICP-MSでのナノグラムレベルのハフニウムの測定誤差(現状)を検討し、フッ化水素酸を持ちいて陰イオン交換樹脂を通して、チタン、ジルコニウム、ハフニウムをまず分離し、続いて、UTEVA樹脂を用いて、ハフニウムを単離するという方法を開発し、論文化した(Lu, et. al., 2007)。この方法をハワイ玄武岩の成因論や(Tanaka, et. al., 2008)、オントンジャワ海台下のマントルの解析(Ishikawa, et. al., 2007)に応用した。しかし、このままでは、ハフニウムー176の親核種であるルテチウムー176を定量できない。なぜならば、ルテチウムはフッ化水素酸中ではマグネシウムやカルシウムのフッ化物と共沈してしまい、また、同位体希釈法用に添加した濃縮同位体(スパイク)と同位体平衡に達さない可能性もある。そこで、チタンを岩石分解前に入れ、過塩素酸と加熱してチタン酸化物とハフニウムを共沈させて分離し、ルテチウムは溶液化して同位体平衡に達せさせた上で回収するという新しい方法を開発した(Makishima and Nakamura,印刷中;特許出願中)。さらに、チタン溶液の高純度化方法を開発した(2008年度特許出願予定)。さらに、試料の最小化のためのイオンカウティングについて、U-Th放射非平衡測定法を開発しながら(Makishima, et. al. 2007)経験を積んだ。
|