研究課題/領域番号 |
19340165
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
横瀬 久芳 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (50230644)
|
研究分担者 |
小林 哲夫 鹿児島大学, 理学部, 教授 (70112430)
長岡 信治 長崎大学, 教育学部, 准教授 (80244028)
|
キーワード | 火山 / 防災 / 岩石・鉱物・鉱床学 / 海洋科学 |
研究概要 |
九州南部に存在する巨大カルデラ群は、人類史において壊滅的な火山災害をもたらしたと考えられている。これらのカルデラ群は、主に陸上調査に基づいた研究であり。九州の南方海域にこのカルデラ群が連続している可能性がある。高海水準期にあたる現在、これらの海域に巨大カルデラが潜伏しているかもしれない。もしも水没したカルデラ群の存在が明らかとなれば、巨大噴火災害の頻度は現在想定されている数字を大きく上回るであろう。そのような視点に立って、本研究では、これまで詳しく解明されていなかった海域の火山活動を海洋火山学的見地から検討している。平成19年度のトカラ列島南部で実施した海洋および陸上調査を通じて、以下の三つの新事実があきらとなった。 (1)ドレッジ調査および岩石学的検討から、水深のDEMデータから推定されるカルデラ地形の近傍に流紋岩質軽石を主体とした火山活動が存在することが明らかとなった。 (2)年代測定の結果、これら酸性岩類の噴火年代が数十万年よりも若い活動であることが明らかとなった。 (3)これまで安山岩質火山岩のみで構成されると考えられていたトカラ列島の一部に、アルカリ岩系のマグマ活動が存在する。この新事実は、北部琉球火山弧の発展過程を検討する上で重要な制約条件を与えるであろう。 以上のような、研究成果は、将来の火山災害予測において極めて重要であるばかりでなく、壊滅的な巨大噴火をもたらすメカニズムを解明する上で重要な基礎データとなるであろう。
|