研究課題/領域番号 |
19340168
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高橋 嘉夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10304396)
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研究分担者 |
狩野 彰宏 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60231263)
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キーワード | バクテリア / 希士類元素 / 吸着 / 細胞壁 / バイオフィルム / 水酸化鉄 / 縞状鉄鉱床 / 広域X線吸収微細構造 |
研究概要 |
バクテリア細胞表面での重希土類元素の濃集が、グラム陰性菌および陽性菌の様々なバクテリアで共通して見られる特徴であることが分かった。また、この濃集は、天然のバイオフィルムと水の間でも同様に見られ、バクテリアが持つ金属イオンの結合サイトの影響でこのような濃集が起きることが示唆された。さらに、天然でバクテリアにより生成したと考えられる水酸化鉄の沈殿にも同様の濃集が見出されることが分かり、重希土類元素の濃集を示す希土類元素パターンが、天然での鉱物生成に及ぼすバクテリアの関与を示す指標として利用可能であることが示唆された。このように現世の天然試料でバクテリア細胞表面で重希土類元素の濃集が起きる事が明らかになったので、次に文献に報告のある希土類元素パターンを調べ、例えば縞状鉄鉱床などバクテリアの関与が考えられている地質学的資料について、重希土類元素の濃集が見られるかを調べた。その結果、約25億年前に生成したオーストラリア・ハマーズレイの縞状鉄鉱床の試料の希土類元素パターンにおいて、これまで合理的な説明がなされていなかった重希土類元素の濃集が存在することが分かった。海水との希土類元素の分配や、それに及ぼす炭酸イオンとの錯生成に関する検討から、この濃集はバクテリアへの希土類元素の吸着に由来する可能性が示唆された。一方、バクテリア細胞表面での希土類元素の結合サイトについても、広域X線吸収微細構造(EXAFS法)による検討を進め、重希土類元素の濃集の原因について、原子レベルでの情報からの検討を開始した。
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