研究課題/領域番号 |
19340172
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 靖 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30214191)
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研究分担者 |
草野 宗也 独立行攻法人海洋研究開発機構, 地球シミュレータ, プログラムディレクター (70183796)
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キーワード | 磁気リコネクション / プラズマ合体 / 急速加熱 / プラズマ加速 / 2次面像計測 / ファーストショック / 異常抵抗 / 非熱的粒子加速 |
研究概要 |
本年度は粒子加速・加熱エネルギーの確保とイオン・電子の加速・加熱用2次元計測の充実を図ることができた。コンデンサーの移管を利用した電源拡充ができたため、労務費と市販品だけの少ない費用で当初予定の0.8MJから1.2MJへと電源蓄積エネルギーは大幅な大容量化を実現した。結果的にリコネクションを行う合体プラズマについて現状の0.02Tより1桁高い0.3T-0.4Tの高磁場化か可能となった。アウトフロー速度の上昇により、ドップラー温度計の精度も上がり、イオン温度増分が再結合磁場の2乗に比例して増加するとの理論予測を0.1T領域まで確認し、延長中である。また、磁気リコネクションの粒子加速・加熱の物理を追究するため、磁場、イオン温度、電子密度・温度の2次元計測のセットアップを進めた。ライン光のドップラー幅とシフトを用いてイオン温度の2次元計測するシステムを構築し、イオン密度の2次元計測の目的も兼ねた運用を開始した。新たな展開としてベクトルトモグラフィー技術をプラズマドップラー計測にはじめて適用し、流速の3次元分布を再構成できるソフトを開発した。現状のチャンネル数は3次元計測には不足であるものの、イオンの非熱的粒子加速を実測する準備が整った。HeIIないし不純物ライン光を最大限活用して、イオンが上下2つのリコネクション下流領域で再結合した磁力線に衝突してファーストショックを形成していることを明らかにした。ファーストショックはランキン・ユゴニオの関係式を満たし、イオン加熱は、リコネクションのアウトフローとそのショック加熱によって説明できることがわかった。また、2次元トムソン散乱計測も3×3の電子温度2次元計測に成功した。また、異常抵抗のシート幅依存性を実験でクリアカットに計測できたことから、階層シミュレーションの中に取り込む作業が進んでいる。
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