研究課題/領域番号 |
19340173
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
石原 修 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20313463)
|
研究分担者 |
津嶋 晴 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (90171991)
眞銅 雅子 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 特別研究教員 (10345481)
|
キーワード | コンプレックスプラズマ / ダストプラズマ / クーロンクラスター / 自己組織化 / 強結合プラズマ / 極低温プラズマ / 微粒子 / 螺旋構造 |
研究概要 |
極低温環境下でプラズマを放電により生成し、その中に微粒子を注入し、微粒子の帯電状態や微粒子群が形成する構造について調べた。実験装置はガラスデュワーを用いた装置を2台用いて、1台(YD-1)は液体窒素または液体ヘリウムで周囲を冷やしたガラス管の中でヘリウムガスを使い、rf放電させプラズマを生成した。もう一台(YD-2)では液体ヘリウムの蒸気中でrf放電によりプラズマを生成した。プラズマの中に注入された微粒子(ダスト)としては1ミクロン程度の絶縁体〔アクリル微粒子〕または金属導体球を用いた。微粒子はプラズマ中に浮遊し、その挙動は2台のカメラを使った高速度デジタル入力システムで映像化し、3次元動画計測ソフトウエアにより微粒子の軌跡を追うことができた。YD-1では1mの高さから落とした微粒子がプラズマ中でつりあいの位置を中心に振動し、その周波数および、減衰率から微粒子の帯電量を見積もることができた。またYD-2では針電極により局所的に作られたプラズマ中に微粒子が注入され、プラズマ中で激しく動き回る微粒子を観測することができた。プラズマを飛び出した微粒子に電場を印加して、微粒子の挙動を調べることにより帯電量の測定をする試みが続けられている。極低温環境下のプラズマ生成はまだ未知の分野であり、そのプラズマ中に微粒子が入ることにより、強結合系としてのクーロンクラスターの基礎物理の研究の一歩を踏み出せたところである。一方、無重力下でプラズマによって閉じ込められた微粒子群〔クーロンクラスター〕が形成する微粒子鎖とそれが作り出すヘリカル構造について、動力学シミュレーションを行っている。微粒子が作り出す螺旋構造はさまざまな系で見られる現象に新たな知見を与えるものと期待できる。また無重力下における実験的試みの準備も行っている。
|