研究課題/領域番号 |
19340180
|
研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
草野 完也 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, プログラムデイレクター (70183796)
|
研究分担者 |
三好 隆博 広島大学, 理学研究科, 助教 (60335700)
|
キーワード | 連結階層シミユレーシヨン / マルチフイジック / プラズマ / シミユレーシヨン / MHD / 太陽フレア / 衝撃波 / 太陽コロナ |
研究概要 |
本研究では異なる計算手法の相互連結によって複合的な物理過程が相互に連関するマルチフィジックスダイナミクスのメカニズムを探ることをその目的とする。本年度は前年度に開発した宇宙プラズマと雲のモデルを利用した応用研究を展開した。特に、太陽フレア爆発に起因して発生する地球軌道上における太陽風擾乱と太陽高エネルギー粒子流束の変動を予測するための連結モデルの開発を行った。この連結モデルは太陽活動領域モデル、太陽コロナモデル、惑星間空間モデル、衝撃波粒子加速モデルからなる。さらに、この連結モデルを利用して、2006年12月13日に発生した大規模フレアのデータ駆動シミュレーションに関する基礎実験を行った。第1に、ひので衛星で観測された太陽表面磁場を境界条件として非線形フォースフリー磁場を緩和法で求めた。第2に求められた非線形フォースフリー磁場を初期条件とする3次元電磁流体シミュレーションを活動領域モデルを用いて実施した。その結果、フレア発生以前の状態は電磁流体力学的に準安定であることを見出すと共に、太陽表面に収束流を導入することでフレア爆発に対応するリコネクションとプラズマ放出を再現することができることを見出し、フレア予知の可能性を拡大した。シミュレーションの結果はX線観測と良く対応しており、特に衝撃波の形成とその強度を見事に再現することができた。さらに、この結果に基づいて、コロナモデル及び惑星間空間モデルによるコロナ質量放出のシミュレーションを行い、地球軌道上における磁場変動の再現性を検証した。また、その出力データに基づいた衝撃波粒子加速のシミュレーションをハイブリッド粒子コードを用いて実施した。その結果、1MeV程度の太陽高エネルギー粒子の時間変化を再現できることを確認した。
|