研究課題/領域番号 |
19350003
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山内 清語 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (10127152)
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研究分担者 |
大庭 裕範 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (10176985)
イスラム サイフル 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80431469)
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キーワード | 化学物理 / 光物性 / 磁性 / 励起状態 / 電子スピン / 高磁場ESR |
研究概要 |
超高速高周波ESR装置の開発と応用研究について、研究は以下のような経過にある。 1. 140MHz広帯域アンプを購入していたが、インピーダンスの不一致のために信号の大きなロスがあった。アンプとダイオードの間に、2倍の増幅回路を入れることでマッチングを取った。その結果、ロスがなくなると共に、より高い時間分解能を達成した。 2. 高い時間分解能を定量化するために、溶液中の亜鉛ポルフィリン(ZnTPP)の励起三重項の信号を観測した。その結果、信号の立ち上がりから、時間分解能が5ナノ秒を切ることを確認した。 3. 新たに共振器を買うことによって、光照射効率向上のための共振器の改良をスタートさせた。現在、電磁界解析ソフトにより光用ホールのマイクロ波磁場への影響の計算を行い、新しい共振器の設計に掛かっている。また、試料管にファイバーを立てることで効率の良い光照射を実現した。 4. 一部高性能化した装置を用いて、励起三重項の熱分布信号を始めて観測した。これを用いることで、常温の液体パラフィン中のZnTPP三重項の項間交差比を0.08:0.08:0.84と決定した。 5. 同様に、極低温トルエン中のフラーレンの熱分布スペクトルを観測することによって、フラーレン三重項のゼロ磁場分裂定数Dの符合を決定することが出来た。
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