19年度は(1)2次元EPRの基礎的な研究と、(2)3次元IR振動分光のシミュレーション手法の開発を行い、その実験的有用性について理論的な立場より議論した。また、(3)トロント大学ミラー教授らのホルムアミドの実験を解析するため、ホルムアミドの2次元ラマンのシミュレーションを行い、実験と比較した。これらの作業には申請者の研究室の大学院生も積極的に参加し、経費の1部は申請者と学生の端末および、プログラム開発に用いるPCの購入に当てられた。 多次元計測は複数の時間変数があるため、数百Gバイトという膨大なデータが数値計算で生じるが、研究費の一部でデータ解析用の64ビット・ワークステーション1台を購入した。本年度は、基礎的方程式についての3報の論文を発表し、研究補助をする学生へは、謝金及び学会参加の支援をした。
|