研究課題
基盤研究(B)
孤立巨大分子研究の強力なツールとして注目されているイオン蓄積リングを用いてフラーレンやクラスターイオンのレーザー分光を行い、クラスターの電子、振動構造の詳細を明らかにするとともに、分子構造を決めている温度履歴を微視的に追跡することを目的とする。分子の構造や性質が温度の関数であることは当然であるが、対象がクラスターの場合、それは温度履歴の関数でもある。多くの場合クラスターの生成場は高温であり、衝突、輻射、蒸発(解離)による多様な冷却過程が最終生成物の構造を決定している。このうち蒸発や衝突による冷却過程はクラスター源における支配的な過程で、比較的急速にクラスターを冷やすため複数の異性体が生成する。一方、輻射冷却過程は遥かに遅く、従って高温クラスターは除冷により最安定構造に至ると期待される。このような輻射冷却過程を微視的に追跡することは、クラスターの生成過程を解明する直接的な情報を与えるものである。また最終的に十分に冷えたクラスターが得られれば、その分光学的情報は分子の安定構造の詳細を知る上で非常に重要である。
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