研究課題/領域番号 |
19350016
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中島 信昭 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00106163)
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研究分担者 |
八ッ橋 知幸 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70305613)
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キーワード | ランタニドイオン / 光還元反応 / 多光子反応 / Sm / Yb / 溶媒和電子 / 同位体分離 |
研究概要 |
Sm^<3+>→Sm^<2+>反応 昨年度にはEu^<3+>→Eu^<2+>の場合と同様に、Sm^<3+>→Sm^<2+>についても起きることを見出した。Smは同位体の分布が144から154と極めて大きく、同位体分離に向けた我々のモデル元素である。試料はSmCl_36H_2Oのメタノール溶液に15-Crown-5を加え脱ガスした。共鳴多光子励起では800nmレーザーの高調波を用いたが、このとき結晶BBOの角度を調整することにより、中心波長を403nmとし、Sm^<3+>イオンのff吸収に同調した。このときの基本波のパルス幅は800fsであった。また、非共鳴励起では、800nm、45fsで、焦点距離100mmのレンズを用い、焦点に試料を配置し、照射した。生成物であるSm^<2+>はHe-Neレーザー(543.5nm)を励起光源とし、その蛍光により評価した。それぞれSm^<2+>の生成が観測され、共鳴励起の場合はレーザー強度の2次に比例してSm^<2+>の生成量が増大した。非共鳴励起の場合には、同溶媒和電子がSm^<3+>によりトラップされ、Sm^<2+>が生成したと解釈した。 同位体濃縮の検証にはSm^<2+>を沈殿分離させ、質量分析計にかければよい。この実験は持ち越しとなった。 Yb^<3+>→Yb^<2+>係への展開 現在のところ実証実験にはSmの系が最も適していると考えているが、そのほかのランタニドイオンにも展開することを計画した。非共鳴励起による溶媒和電子との反応で2価が生成することを、吸収スペクトルの変化を用いて調べた。励起波長は800nm、970nm、1930nmを用いた。970nmはYb^<3+>のff遷移に同調しているはずであるが、Eu、Smの系と異なり、共鳴の効果ははっきりしなかった。エキシマーレーザーを用いたCT励起でも還元反応を観測できた。 研究発表の成果の記載では、関連のフェムト秒イオン化の結果を含めた。
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