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2008 年度 実績報告書

新規なキラルブレンステッド酸触媒の開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 19350026
研究機関学習院大学

研究代表者

秋山 隆彦  学習院大学, 理学部, 教授 (60202553)

キーワード不斉合成 / キラルブレンステッド酸 / 有機触媒 / 速度論的光学分割 / アルドール反応 / 非対称化
研究概要

我々は、(R)-BINOLより得られるリン酸エステルがキラルブレンステッド酸として優れた不斉触媒能を有することを見出している。本触媒は数多くの研究者がその触媒活性を検討し、おもに、イミンに対する求核付加反応や付加環化反応などにおいて優れた不斉触媒能を示すことが明らかにされている。本研究ではこれまであまり研究されていなかったカルボニル化合物の活性化に取り組み、分子内アルドール反応の不斉触媒反応の開発を目指して研究を行った。その結果、テトラロン由来のケトエステルとメチルビニルケトンにより得られる化合物を用いて分子内アルドール反応を行ったところ、アルドール反応において速度論的光学分割を行うことができることを初めて見出した。3,3'位に(2,4,6-(i-Pr)_3C_6H_2基の置換したキラルリン酸を触媒として用いることにより、鏡像異性体間でのアルドール反応の速度が大きく差別化することが可能であり、ラセミから出発して分子内アルドール反応、さらに引き続く脱水反応により、対応するシクロヘキセノン誘導体が最高92%eeで得られた。更に,面対称を有するトリケトンを基質として用いる事により同触媒により,アルドール反応において非対称化が効率良く進行し対応するシクロヘキセノン誘導体が最高94%eeで得られる事も見出した。得られた化合物は、ステロイド等の生理活性化合物の有用な合成中間体になると考えられる。高い不斉誘起が発現する理由については理論化学的な手法を用いて明らかにする予定である。以上、本研究により、キラルブレンステッド酸触媒により光学分割,非対称化というこれまでにない現象を見出すことができ、リン酸触媒の適用範囲をさらに拡げることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Chiral Phosphoric Acid Catalyzed Desymmetrization of meso-1, 3-Diones : Asymmetric Synthesis of Chiral Cyclohexenones2010

    • 著者名/発表者名
      Mori, K., Katoh, T., Suzuki, T., Noji, T., Yamanaka, M., Akiyama, T.
    • 雑誌名

      Angew.Chem.Int.Ed. 48

      ページ: 9652-9654

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Enantioselective Robinson-type Annulation Reaction Catalyzed by Chiral Phosphoric Acid2009

    • 著者名/発表者名
      Akiyama, T., Katoh, T., Mori, K.
    • 雑誌名

      Angew.Chem.Int.Ed. 48

      ページ: 4226-4228

    • 査読あり
  • [学会発表] キラルブレンステッド酸触媒による速度論的光学分割を利用した縮環エノンの不斉合成2009

    • 著者名/発表者名
      野路卓也・加藤拓也・森啓二・秋山隆彦
    • 学会等名
      第58回有機合成化学協会関東支部シンポジウム
    • 発表場所
      長岡科学技術大学, 長岡
    • 年月日
      20091100
  • [備考]

    • URL

      http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~940020/akiyama_site/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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