研究概要 |
1)パラジウムを触媒として用い、トリエチルホウ素を促進剤(還元剤)として用いるアルデヒドの直接的な求核的アリル化反応は水許容という点で極めて特徴的な反応である。この特徴を発揮する目的で4単糖、5単糖の水酸基を保護することなく、アリルアルコールによる求核的なアリル化を行った結果、期待通り糖のヘミアセタール部位への求核的アリル化が進んだ。生成物は立体異性体の混合物として得られた。今後、立体選択性、および生成物の立体化学の決定を行う。 2)芳香族アミン存在下で上記反応を検討した。その際、単糖のアルデヒド部分がアルドイミン(もしくはヘミアミナール)に変換され、1)で得られたポリオールの水酸基の一つがアミノ化された生成物が高収率で得られた。この場合も生成物は立体異性体の混合物として得られた。今後、1)の結果も考慮しつつ立体選択性、および生成物の立体化学の決定を行う。 3)プロパルギルアルコールのパラジウムによる触媒的なプロパルギルアニオンとしての活性化を検討したが、未だ満足のいく結果は得られていない。 4)2-メチレン-1,3-プロパンジオールの双極活性化を検討した。イミンに対しては1,2-付加により3-メチレンピロリジンが得られるとの予備的な知見を得ている。α,β-不飽和カルボニル化合物に対しても検討したが、反応は予想外に難しく、現時点では予想生成物である1,2-付加や1,4-付加成績体を得るには至っていない。
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