研究課題/領域番号 |
19350056
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
関 隆広 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40163084)
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研究分担者 |
竹岡 敬和 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20303084)
永野 修作 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40362264)
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キーワード | 表面グラフト / アゾベンゼン / 高分子液晶膜 / 分子配向 / スメクチック相 / ゲル表面 |
研究概要 |
当グループは、高感度な光誘起物質移動現象をはじめとして、光応答高分子膜多くの研究を進めてきた。これまでの知見に基づき、本研究では、光応答を伴う特異な分子配向制御を実現し特性を究明するとともに、物質移動現象およびソフトマテリアル表面に可逆的に表面レリーフ等を形成させる新たな光プロセスを開発することを目的とし、研究を開始した。 新たな光応答性高分子薄膜の設計指針を提出するため、固体基板上に光応答性液晶高分子をグラフトする手法の開発と特性評価を行った。このようなグラフト膜において、メソゲンおよび集合体としての液晶相がどのように配向し、どのような熱的特性を有するかの知見はこれまでに無い。DSC測定、分光学的評価、X線測定の結果、グラフト密度が十分に高い場合、メソゲンは基板に対して平行に配向し、スメクチック層が基板に垂直に配向するという、これまでに知られていない配向特性を有する高分子液晶膜となることを見出した。 一方、固体基板ではない、柔軟な材料表面への光応答部位の導入にも着手した。柔軟表面としてゲル材料を選択し、ゲル表面に選択的にアゾベンゼンを導入する手法を開発した。HEMAのようなヒドロキシル基を有するメタクリルモノマーとオリゴエチレンオキシドを持つメタクリル酸モノマーに僅かな架橋剤を混ぜることで、光重合によりゲルシートを調製した。アゾベンゼンの酸クロリド誘導体をゲルが膨潤しない溶媒を用いて表面に選択的に10-20nmの膜厚で導入できることがわかった。
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