研究概要 |
分子レベルの構造が主要因となり、電子スピン(磁性)と導電性などの物性が共同現象的に発現する物質系はエレクトロニクスなどの応用面からも、物性発現機構の解明という基礎研究分野からも非常に注目される研究対象である。特に、ナノ磁性体、複核遷移金属錯体、分子性磁性超伝導体等の物質は、構造とスピン状態、そして反応性、導電性といった物性が密接に関連している為、興味深い系である。そこで、これらの系に対して理論研究によりスピンと他の物性が協奏する系を電子状態のレベルから解明して、巨視的な物性量を予測することを目的とする。特に、磁気的相互作用を表すためのJ,D,E値などの理論計算による高精度計算と伝導性を示すナノサイズの物質系の物性解明を第一原理計算と統計理論を用いることにより巨視的な物性量を求め、実測値との比較検討を行い、合成・測定と理論予測という三位一体の研究を推進するための基盤研究を推進することを目的としている。
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