研究課題
基盤研究(B)
本研究課題では筋収縮弛緩機構の解明を目指し、トロポニンCの-分子計測を可能とする新規なプローブ分子の開発を進めてきた.まず、二官能性蛍光ラペル剤の開発については、二官能基型蛍光ラベル剤BRhoおよびBrosを設計・合成した. HPLCや1H-HMRの解析からBRhoではカルボキシ基の向きにより水素結合様式が変化するため、物性の異なる2つのラベル化タンパク質が生成することがわかった.一方、Brosではタンパク質結合後に一様なコンフォメーションをとることがわかり、蛍光ラベル化剤としてより優れた性質を有することがわかった.次に、タンパク質希土類蛍光ラベル剤の開発を行った.まず、非天然のアミノ酸配列(ペプチドタグ)を特異的に認識する希土類錯体を合成した.本錯体は亜鉛イオンを介してポリアスパラギン酸と錯形成し、ペプチドタグ中のトリプトファン側鎖から希土類中心へのエネルギー移動が効率よく進行することで、希土類の発光が遅延蛍光成分として観測されることがわかった.
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