研究概要 |
本研究の目的, ならびに平成20年度研究実施計画に基づき, 下記の検討を行った。 1. モノリス構造を改良し, タンパク質ライゼートを含む溶液がフロースルー可能な構造を得る 2. アフィニティ担体表面を親水的, あるいは疎水的に改質する簡便な方法を開発する 3. 獲られたアフィニティ担体に種々の生理活性物質をリガンドとして固定化し, その標的タンパク質候補を解析する その結果, 1について, モノマー組成を変化させることにより, 0.5mm内径のキヤピラリ管の中で, タンパク質ライゼートが充分にフロースルー可能なアフィニティ担体を得ることに成功し, アフィニティ実験が「流れ」の中で可能であることを証明できた。 また, 2については, 開発したアフィニティ担体上に導入した官能基(アミノ基)が表面集中型で導入されることを証明し, その簡易定量法を確立した。これに基づき, リガンドの反応率を任意かつ正確に制御し, リガンド廻りに新たに疎水性基あるいは親水性基を導入することによってリガンド廻りの環境制御にも成功した。 一方, 3については, カビ毒の一種であるアフラトキシンをリガンドとして用い, その標的タンパク質と考えられるタンパク質の分離, 同定まで行った。加えて, 基礎検討の一環として, 性質のことなるリガンドを担持し, 標的タンパク質の捕捉状況について詳細に検討を行い, 個々のリガンドにおいて, 至適結合量, 至適環境が存在し, 効率のより標的タンパク検索のためのストラテジーを示すことに成功した。これらは論文発表を行った。
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