研究課題/領域番号 |
19350095
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
小川 昭弥 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (30183031)
|
研究分担者 |
野元 昭宏 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (60405347)
|
キーワード | パイ共役系分子 / ヘテロ元素 / 複合同時導入伝 / 有機発光素子 / ラジカル反応 / 遷移金属触媒反応 / ヘテロ原子複合材料 / ヘテロ環化合物 |
研究概要 |
イオウ、セレン、テルル、窒素などから構成されるヘテロ環化合物は特異な材料特性を示すことから、最近、材料化学分野において注目を集めている。本研究では、従来にない合成手法をもって、これらの元素を複合化させた広範なπ共役系を有する新規ヘテロ原子複合発光材料の開発を目的として研究を行った。アセチレン骨格へのヘテロ元素導入については、イオウ、セレン、テルル、窒素、リンの選択的な導入が可能となっただけでなく、これらの元素の複合導入についても良好な結果を得た。さらに、これらの光物性、電子移動特性について検討を行うために、従来の低分子に加え、フェロセン、ポルフィリンなどに本複合導入法を適用した結果、これら機能性骨格に対しても反応が良好に進行することを見出した。ポルフィリン骨格を持つ化合物からは、イオウ-セレン、イオウ-テルル、セレン-セレンなどの組み合わせによる同時導入の結果、吸収波長の長波長シフトが観測され、16族ヘテロ原子の複合導入による光物性の変化を系統的に捉えることに成功した。さらに、フェロセン骨格を持つ化合物からは、複合導入化合物の酸化還元電位がアノードシフトすることを確認し、系統的な酸化還元電位の変化が見られたことから、一連のカルコゲン複合導入化合物の基礎物性について包括的なデータを取得することができた。さらに、光物性については、ジエチニルベンゼンに対するイオウの導入より生成した化合物が蛍光特性を有することを見出した。
|