近年、有機超伝導に代表される伝導性有機化合物の応用展開は多様性を増してきており、特に、セレン、イオウ、窒素、テルルなどの孤立電子対を有するヘテロ環化合物は、それらの電子状態に基づいた新機能を有する魅力的な研究対象であるだけでなく、材料、医療といった精密合成を必要とする学問領域の発展には欠くことのできない構造体となっている。しかし、ヘテロ原子を複合化させた材料開発は、その合成の複雑さ、困難さから普遍的な製造法が確立されておらず、ヘテロ元素含有パイ共役系分子の効率的な創生がこの分野の発展に大きな意義を持つと考えられる。本研究では、これまでに開発してきた遷移金属触媒、光照射によるヘテロ原子複合同時導入法を駆使し、新規ヘテロ原子複合発光材料の創生を行うものである。
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