研究概要 |
ゲル化窒化法によって様々な金属元素の組み合わせに関して、どのような複金属酸窒化物が生成するかを検討し、窒化物基が金属イオンに共有結合して形成する構造単位と酸化物イオンからなる結晶構造に基づく酸窒化物の特異な物性の発現を目指した。 1)ゲル化窒化法で合成される酸窒化ガリウムは、(Ga_<0.89>〓_<0.11>)(N_<0.66>O_<0.34>)で表わされるようにガリウム欠損をもち、六方晶GaNと同型のウルツ鉱型構造を取ることが明らかになった。酸窒化インジウムも同様であったが、酸窒化アルミニウムはスピネル型AlONになった。 2)酸窒化ガリウムではドープしたMnは酸化マンガンクラスターを形成したが、Znは約30モル%まで均一に固溶し3eV付近のバンド吸収端が次第に急峻になった。NiやCoはごく少量しかドープできないが、一部分閃亜鉛鉱型の酸窒化ガリウムができるとともに、繊維状の結晶が混在した。ユーロピウムをドープして酸窒化アルミニウムを合成すると、マグネトプラムバイト型の酸窒化物が青色発光した。 3)ペロブスカイト型EuTa(O,N)_<2.5>や岩塩型NbAlON_2などの新規な金属酸窒化物を発見した。興味深い誘電性や電気伝導性が観察されはじめている。
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