研究概要 |
平成20年度において, 当初の研究提案に従い, 白金単結晶および多結晶電極におけるジメチルエーテル(DME)の電気化学的酸化反応機構の解明を研究し続けてきた. 白金単結晶低指数面及びいくつかの高指数面電極表面において, DMEの電気化学的酸化活性について調べた結果, 白金単結晶電極の表面構造に大きく依存していることが分かった. Pt(111)電極についての結果をまとめてフールペーパーとして投稿掲載された. さらに, Pt(100)及び(100)のテラスをもつ白金単結晶電極におけるDMEの電気化学的酸化反応の電極触媒活性について解析を進めている. 電気化学測定に加え, その場赤外分光法での計測により, DME酸化反応の触媒活性について調べ, 反応中間体として(CH_30CH_2)_adと(CO)_adの他に, 生成物としてCO_2が確認できた. 現在, Pt(100)に関連する実験結果をまとめ, 最終年度の早々に投稿する予定. これと並行し, 白金多結晶電極表面におけるDMEの電気化学的酸化過程について, その場赤外分光法により追跡し, DME酸化過程の中間体同定及びその速度論を調べている. Pt(100)電極と同じような反応中間体(CH_30CH_2)_adと(CO)_adを赤外分光法で観測されたと同時に, 各中間体の速度論的な挙動について詳細に議論ができた. その結果の一部をElectrochim. Actaに掲載された. さらにに, 時間分解赤外測定によるDME分解反応の速度論解析の結果についての結果をまとめ, 投稿した. 循環セルによるその場赤外分光測定の改良や, 金属ナノ粒子の修飾効果, EC-STMによる電極表面構造解析も行い, 電極表面構造とDMEの反応機構・反応性の関係解明を目指し研究を進めてきた.
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