研究課題
本研究の目的は、半導体ナノシート(特にシリコンナノシート)をナノ構造材料として用いた、高効率の光エネルギー交換、貯蓄機能デバイスの実用化である。具体的には、この独自の2次元ナノ物質を用いて、これらの自己組織化反応を活用して階層的もしくは傾斜的に集積する技術、機能性分子などと精密にナノ接合する技術の確立を目指している。平成21年度は、アミノ化Siナノシートが修飾アミンの鎖長に依存した高次構造を形成することを見出し、半導体素子に必要なSiナノシートの空間分離技術を新たに確立した。また、その高次構造を形成するシート枚数が1枚とそれ以上では、シート間を流れる電流の機構が異なる事を明らかにし、量子サイズ効果を利用した半導体素子への応用の可能性が示唆された。更に、フェニル基で修飾された酸素を全く含まないフェニル化Siナノシートの合成にも成功した。この物質は厚さが1nm程度であるにも関わらず、得られた薄膜は、大気中で1か月以上の保存に対しても酸化される事はなかった。更に、K_2SO_4水溶液中で光応答電流を示す事を確認した。この現象は、有機ケイ素系の物質では初めての発見であり、太陽電池など様々な光エネルギー変換材料への応用展開の可能性を実証した。
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J.Am.Chem.Soc. 132
ページ: 2710-2718
ページ: 5946-5947