研究課題/領域番号 |
19350106
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
居城 邦治 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (90221762)
|
研究分担者 |
新倉 謙一 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (40360896)
松尾 保孝 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (90374652)
|
キーワード | ナノテクノロジー / 単一分子デバイス / 無電解メッキ / ナノワイヤー / ナノギャップ電極 / DNA / LB膜 |
研究概要 |
導電性高分子から単一分子デバイスを作製するために、2つの金属電極のナノメートルのギャップ間に導電性高分子1分子を挿入する必要がある。従来の手法は、間隔の決まった電極間に導電性高分子をはめ込むためには電極間隔にあわせて長さの決まった導電性高分子を必要としていた。また、導電性高分子は高分子の一種であることから、溶液中ではエントロピー的に糸まり状に固まる。2つの電極間にブリッジするためにはエントロピーに反して、高分子鎖を伸長して固定化する必要があった。そこで本申請ではこれらの問題点を解決するために、2つの電極のナノギャップに導電性高分子を橋渡しするのではなく、導電性高分子の両端にメゾスコピックな電極を作製することを目的とした。今年度は以下の成果が得られた。導電性高分子-オリゴヌクレオチドの合成に着手したが、導電性高分子の安定性に問題があり、最終化合物を得るまでには至らなかったので、引き続き合成を行っている。DNAの塩基選択的なナノワイヤーを作製するために、DNA合成酵素でpoly(dG)・poly(dC)-polyd(AT)2からなるブロックコポリマー型DNAを合成し、基板に伸長固定化した後にシスプラチンの選択的結合・還元反応によりpoly(dG)・poly(dC)部分のみのプラチナによるナノワイヤー化に成功した。これをAFM,TEM観察で観察し、有機-金属のナノ接合部の観察を行った。また、現有のAFMを改良することで単一分子導電性高分子の(光)導電性測定のための準備を行った。これらの成果により、電極作製の目的は達成した。今後、導電性高分子-オリゴヌクレオチドの合成が終了次第、導電性高分子から単一分子デバイスの作製を行う予定である。
|