研究課題
コロイド分散系により形成される組織体として、粒子のブラウン運動及び表面特性によるハード系と、電気二重層によるソフト系とが有るが、これらに加え粒子完全充填型のコロイド組織体によるレーザー発振等の量子光学効果発現の指針を得る基礎研究を実施した。対象とする光の波長は400-800nmの可視光領域なので、ハード及びソフト系コロイド組織体においては粒径約100nm前後の単分散コロイド粒子、具体的にはシリカ、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン粒子分散液におけるコロイド結晶発現を、分散液濃度、粒径をパラメータとして、それらの結晶弾性率を決定した。また、rhodamine6G等の水溶性色素をコロイド分散液にドープし、その蛍光の閉じ込め率を調査することで、結晶の光閉じ込め効率を検証した。ここでは更に、共存する第2の色素へのエネルギー移動の増加率を決定し、規則構造を有するコロイド組織体が効果的に光エネルギーを閉じ込めていることを確かめた。粒子完全充填型の規則構造を有するコロイド組織体については、粒径がさらに大きなコロイド粒子の自己組織化を用いて発現させる試みを行い、液滴の乾燥により形成される乾燥散逸構造を調査した。十分な脱塩を行うことで、コロイド分散液において既にコロイド結晶を発現した液滴をカバーガラス上で乾燥させ、乾燥に伴い結晶を発現したまま粒子間隔が小さくなることを時間分割反射スペクトル測定により動的に測定した。更に、発現した乾燥散逸構造を走査プローブ顕微鏡により観察し、その動径分布関数またはフーリエ画像より粒子の配列状況を調査した。これらにより、乾燥散逸構造の動径方向への粒子配列度が定量的に決定された。乾燥散逸パターンの中心付近では粒子の配列度は乱れているが、外周部では細密充填に近い規則構造を発現していることが分かり、これらの試料を次年度よりの実験に有効に活用出来ると確認された。
すべて 2007 その他
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http://apchem.gifu-u.ac.jp/~polymer1/