研究課題/領域番号 |
19350110
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
土田 亮 岐阜大学, 工学部, 教授 (60183076)
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研究分担者 |
木村 浩 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40313910)
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キーワード | 量子光工学 / 結晶成長 / 高性能レーザー / 走査プローブ顕微鏡 / メゾスコピック系 / コロイド結晶 / 蛍光性色素 / Nd-YAGレーザー |
研究概要 |
コロイド分散系により形成される組織体として、粒子のブラウン運動及び表面特性によるハード系と、電気二重層によるソフト系とが有るが、これらに加え粒子完全充填型のコロイド組織体によるレーザー発振等の量子光学効果発現の指針を得る基礎研究を前年度に引き続き継続実施した。ソフト系のコロイド組織体としては、粒径110nmのコロイダルシリカ水分散液を十分に脱塩し、コロイド結晶を発現させた。ここに水溶性色素であるフルオレセインを添加し、その蛍光をコロイド結晶による光閉じ込め効果によりブラッグ波長で71%閉じ込めることに成功した。分散液中に第二の色素、ローダミン6Gを共存させ、フルオレセインを電子励起エネルギードナー、ローダミン6Gをエネルギーアクセプターとした電子励起エネルギー移動系を構築したところ、光閉じ込め効果で閉じ込められたフルオレセインの蛍光が効率よくローダミン6Gに移動し、結晶融解時に比べ2.26倍もの移動効率の増加が達成された。粒子完全充填型の規則構造を有するコロイド組織体については、コロイダルシリカ及びポリメタクリル酸メチル微粒子のそれぞれ大小混合系において、コロイド結晶を発現した液滴をカバーガラス上で乾燥させ、液滴の乾燥により形成される乾燥散逸構造を調査した。これらの系では、大粒子が発現パターン中心部、小粒子が外周部に偏析(セグレゲーション)効果により分離し、特に外周部では最密充填に近い規則構造を発現していることが示された。本研究で構築されたコロイド微粒子の超規則構造に色素を共存させることで、量子効果を発現させる研究を次年度さらに展開する。
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