研究課題/領域番号 |
19350115
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
杉本 雅樹 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (90354943)
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研究分担者 |
伊藤 洋 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 技術副主幹 (00414574)
出崎 亮 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究職 (10370355)
山本 春也 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究副主幹 (70354941)
吉川 正人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究主幹 (40354948)
関 修平 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (30273709)
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キーワード | SiCセラミックス / 有機-無機転換 / ポリカルボシラン / 自立型ナノファイバー / 3Dナノメッシュ / イオンビーム / 線エネルギー付与(LET) / 多角度照射 |
研究概要 |
高エネルギーイオンビームの照射により、セラミック前駆体高分子材料のポリカルボシラン(PCS)からSiCセラミックナノファイバーを合成する合成法及びその形状制御法の開発を行った。PCSを薄膜化し、これにイオンビームを照射すると、その飛跡に沿って円筒形の架橋部が形成され、未架橋部を溶媒で除去することで直径数十ナノメートルの高分子ナノファイバーが得られた。これを不活性ガス中、1000℃で焼成することで、SiCナノファイバーに転換でき、その耐熱性は1200℃以上であることが明らかになった。また、SiCナノファイバーの形成密度をイオンビームの照射量で、直径をイオンビームの線エネルギー付与(LET)及び高分子の分子量と架橋効率で、長さをPCS薄膜の厚さにより制御する技術を確立した。 一方、直径に比べ長さが大きい高アスペクト比ナノファイバーを形成した場合、未架橋部分を溶出する工程においてナノファイバーが基板表面に倒れ、個々のナノファイバーを自立状態で形成することが困難であった。そこで、ナノファイバーを接続し3Dナノメッシュ等の立体構造形成に必要な多角度照射装置の設計・要素技術試験及びそれに基づく装置開発を行った。来期の本格運用のために実施した手動による予備照射試験により、垂直1方向照射に比べ平均膜厚の増大が認められ、高アスペクト比ナノファイバーが立体的に接続され基板への倒れこみが低減されている可能性を示唆する結果が得られた。
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