研究課題/領域番号 |
19360014
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
服部 健雄 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (10061516)
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研究分担者 |
木村 健二 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50127073)
中島 薫 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80293885)
野平 博司 武蔵工業大学, 工学部, 准教授 (30241110)
寺本 章伸 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (80359554)
木下 豊彦 東北大学, (財)高輝度光科学研究センター分光物性IIグループ, 主任研究員 (60202040)
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キーワード | シリコン酸化膜 / シリコン窒化膜 / 光電子分光法 |
研究概要 |
平成20年度は、次の二つに大別される研究成果を得た。第一に、Si(100)、si(111)、Si(110)面上に、Xe/NH_3プラズマ中で生成されたNHラジカルを用いて形成した膜厚約0.9nmのSi_3N_4/Si界面からの軟X線励起Si2p、N1s、O1s光電子スペクトルの光電子の脱出角依存性を詳細に解析した。その結果、いずれの面方位においてもSi_3N_4/Si界面にはSi^<3+>が存在しないために、サブオキサイドからなる1原子層を介して組成が急峻に変化することが見出した。第二に、SiO_2/Si界面における組成遷移をSi基板側から検出できる試料の構造を実験的に最適化し、それを用いて当該組成遷移を検出した。すなわち、先ずSilicon on Insulator(SOl)を熱酸化して、SiO_2(23nm)/Si層(5nm)/SiO_2(0.1μm)Si基板(720μm)構造を形成後に、SiO_2(23nm)に支持台となるSi基板(以下、支持基板と略記)を接着してSi基板(720μm)およびSiO_2(0.1μm)層を化学エッチングにより除去することにより、支持基板/SiO_2(23nm)/Si層(5nm)構造を作成した。この構造においてSi層を介してSi2p光電子を検出すると、光電子の脱出角が小さくなるほどSi層からのSi2p光電子スペクトル強度l(Si)とSiO_2層かちのスペクトル強度l(SiO_2)の比l(SiO_2)/l(Si)が小さくなり、設計通りの構造となっていることを確認した。ただし、SiO_2/si界面における組成遷移の詳細を明らかにするためには、Si層をより薄くするとともにSi層の表面における自然酸化膜の形成を抑制する必要がある。今後は、Si層を2nm程度にする技術を確立して、厚い酸化膜とSi層との界面に形成される組成遷移などの解明を目指す。
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