研究課題
酸素ラジカルを用いて形成した高品質のシリコン酸化膜および窒素-水素ラジカルを用いて形成した高品質のシリコン窒化膜の組成および構造の解明を目指して、角度分解Si2p、O1s、N1s内殻準位および価電子帯スペクトルを検出深さを揃えて測定した。その解析より、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の密度と構造、SiO_2/SiおよびSi_3N_4/Si界面組成遷移層における組成および構造の面方位依存性、SiO_2/SiおよびSi_3N_4/Si界面における価電子帯上端の不連続量(バンドオフセット)の面方位依存性を明らかにした。形成したSiO_2/SiおよびSi_3N_4/Si界面はいずれの面方位においても急峻な組成遷移を示し、SiO_2/Si界面にはSi^<3+>が存在するのに対し、Si_3N_4/Si界面にはSi^<3+>(N)が存在しないことを見出した。特に注目されるのは、SiO_2/Si界面における価電子帯バンドオフセット(VBO)に面方位依存性があるのに対してSi_3N_4/Si界面におけるVBOに面方位依存性がない点である。これは、いずれの結晶面上においても、SiO_2/Si界面組成遷移層にはS^<3+>が存在するのに対して、Si_3N_4/Si界面組成遷移層にはS^<3+>(N)が存在しないことと密接な関係があると推測される。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Applied Physics Letters Vol.96
ページ: 104908-1-3
Jpn.J.Appl.Phys. vol.48
ページ: 04C048-1-6
IEEE Trans.Electron Devices Vol.56
ページ: 291-298