研究課題/領域番号 |
19360018
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊藤 利道 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00183004)
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研究分担者 |
毎田 修 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40346177)
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キーワード | CVDダイヤモンド / マイクロ波プラズマCVD / 紫外線検出器 / 軟X線検出器 / n型ダイヤモンド / p型ダイヤモンド / 増幅機能 / 応答速度 |
研究概要 |
本研究では、(1)巨大増幅度を有するダイヤモンド信号検出・増幅素子を歩留まり良く作製できるプロセスを開発し、(2)その増幅機構の解明を行うことにより、信号増幅の制御に関する基盤技術の知見を得ることを目的としている。(1)については、(100)基板上のホモエピタキシャル成長における伝導型制御プロセスの改善を行った結果、ホウ素ドープしたp型試料の作製プロセスについては、オフ基板の有効性を見出すとともに、燐ドープしたn型試料の作製プロセスにおいては、高プラズマ密度化及び基板温度の高温化の有効性を明らかにした。更に、ダイヤモンド検出器の基本素子のサイズを微小化できる作製プロセスを開発した結果、従来の3mm角の高圧合成基板を用いて、複数個の素子を作製できるようになり、検出器作製の歩留まりが改善された。一方、(2)に対しては、従来構造(櫛形電極)とは異なる積層素子構造のダイヤモンド検出器を考案し、そのような素子構造に適した作製プロセスを新たに開発した。次に、新素子構造を有する検出器を試作し、紫外光や軟X線に対する検出特性(静的検出信号電流の印加電圧依存性)を評価したところ、従来構造の素子に比べ、基板に使用した低品質の高圧合成基板の影響を大幅に低減することができ、紫外線や軟X線の検出効率が増大するとともに、検出器の応答速度も大幅に改善されることが判明した。また、10Tまでの磁場印加下でも、試作ダイヤモンド検出器の静的検出特性はあまり変化しなかった。現在、更なる各種作製プロセスの改善を図るとともに、これまでに得られた実験事実を基に、本ダイヤモンド検出器に特有の増幅機構の解明に向けて検討を行っている。
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