(1)ミクロコーン・エミッタ分布制御Si(100)基板にダイシングにより数100ミクロン間隔の格子状の溝を設け、そのエミッタ分布に与える影響を調べた。この結果、理論モデルにより予測された(偏微分方程式の解における)境界条件の影響が実際のエミッタ分布に反映していることが実験的に証明された。特に物理的に設定された境界条件(深さ数100μm・幅数10μm)の溝を越えて広がる分布パターンも見出され、これは「成長するコーンの分布」が認識する境界条件に関する新たなナゾを提出するものであり、継続して調査を進める。 (2)導電性の解明BNは本来絶縁物であるが、sp3-結合性5H-BNににおいては、顕著な導電性の発現があり、それがPE(電界電子放出)を可能にする重要な因子の一つである。今回、この導電性の起源として、ドーピングにより、p型の導電性が現れていることが分かった(特許出願中のため詳述は控える)。又、試料により、導電性に関して半導体的な温度特性を示す場合と、金属的な温度依存性を示す場合が得られている。 (3)バンド構造第一原理計算によりsp3-結合性5H-BNのバンド構造が解明された。又、結晶構造も一意に決定できることが判明した。 (4)表面処理のFEへの表面処理によりFEへの好影響が出せることが判明した(特許出願中のため詳細は控える)。 (5)パルス化による薄膜成長への影響プラズマ変調の効果が製膜速度に著しい影響を与えることが判明し、その原因をプラズマ発光分光などを用いて調査中である。
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