研究課題/領域番号 |
19360025
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
安田 哲二 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノ電子デバイス研究センター, 研究グループ長 (90220152)
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研究分担者 |
藤原 裕之 国立大学法人岐阜大学, 工学部, 教授 (40344444)
田中 正俊 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90130400)
大野 真也 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 特別研究教員 (00377095)
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キーワード | 表面・界面物性 / 電子・電気材料 / 光物性 / 半導体超微細化 |
研究概要 |
本研究は、測定エネルギー域を真空紫外まで拡張したRDS(反射率差分光)装置を用い、絶縁体と半導体の界面構造の秩序状態を反映する異方性が存在するかどうかを明らかにし、その過程を通じて、新チャネル材料上の絶縁膜界面の光学的評価手法を確立するとともに、界面の物性と形成機構の理解を深化させることを目指す。本年度は、昨年度開発した真空紫外RDSによる半導体/絶縁体界面評価に関して以下の成果を得た。従来の可視・紫外域での測定では得られなかった微視的な情報が得られており、絶縁膜界面の光学的評価手法としてユニークなものとなっている。 1.真空紫外域における異方性の観測に昨年度成功したSiO2/Si界面について、面方位依存性を詳細に検討した。その結果、この異方性は(n11)面を酸化した際に特徴的に現れ、酸化温度や加熱時間といった熱負荷が大きいほど強くなることが明らかになった。更にスペクトルの形状から、界面における原子層オーダーの凹凸と異方的なSi-O結合の存在が示唆された。また、シングルドメイン処理したSi(001)面上の極薄酸化膜についても測定を試みたが、試料サイズの制限と搬送中の状態変化のため異方性を検出するには至らなかった。 2.極微細CMOSの新チャネル材料として期待されるGaAs、InP、Geについて、絶縁膜を形成して真空紫外RDS測定を行った。Al_2O_3を形成したGaAs、InP、熱酸化したGeのいずれにおいても、絶縁膜形成によるスペクトル変化が真空紫外域において観測され、本手法が様々な半導体と絶縁膜との界面構造に対して高い感度を持つことが明らかとなった。 3.真空紫外RDS測定が特に有効であると考えられるワイドギャップ半導体の代表として4H-SiCを選び、エリプソメトリーによる誘電関数評価を行った。自然酸化膜付き4H-SiCの場合、酸化膜を初期洗浄後にフッ酸を利用して除去することにより平坦表面が得られることがわかった。この試料に対しエリプソメトリー測定を行い、4H-SiCの誘電関数を得た。
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