研究概要 |
前年度に引き続き,化粧評価システムの改善を行った.表情の変化が見られるときにも,パーティクルフィルターの多段接続により,その変化に対応させた.また,効率的でリアルタイム計測可能な周囲環境測定システムを構築した."顔に対する前撮影システム"では,顔の3次元形状をプロジェクタを用いた縞投影法により撮影し,また線光源を顔面の前を左右に走査し,走査中の顔の光沢感の変化を逐次撮影することにより,顔の形状と偏角反射特性を計測する.縞投影法は既存技術であり,現在の段階においてプレゼンテーション用プロジェクタを用いてマネキンに対する計測の実験を完了していたが,今年度は実際の顔によって実現した.しかし.この時,どうしても計測中に顔が動いてしまうことが問題であることから,顔位置のトラッキング機能を導入し,計測中の顔の位置ずれを補正することにより精度の高い3次元形状計測を実現した.顔の偏角反射特性の計測においても顔の位置ずれの影響が大きく,同様に顔位置のトラッキング機能を導入した."リアルタイム撮影システム"においては,背景切り出し用のグリーンスクリーン前面に被験者を配置し,既存の照明による表面反射成分の分布を照明とカメラの双方に偏光板を配置することで除去し,その結果として内部反射光のみの反射画像を撮影する.内部反射光のみの反射画像は,研究代表者の津村が考案した陰影分離方法により絶対反射率(アルベド)画像に変換した.
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