研究概要 |
フェムト秒光パルスの伝播の動画像をCCDに記録するデジタルホログラフィの記録再生装置を構築した。CCDの画素はフェムト秒パルスレーザー光により形成される干渉縞を記録するには粗過ぎるために、参照光をCCDにほぼ垂直に導入する必要がある。しかしながら、この形態の導入では、所望の像に対して、不要な像が重畳するという問題が生じる。この問題を避ける方法を考案し、考案方法を行う実験装置を構築した。構築したシステムでパルスの持続時間130フェムト秒,中心波長800nmの超短パルスレーザー光が,拡散板上を伝播する様子の動画像をCCDを用いてホログラフィック記録を行った.記録されたデジタルホログラムを計算機再生するソフトウェアを開発した.開発したソフトウェアを用いて数値的に像再生を行った.再生結果では,不要な像が再生されず,所望像のみが再生できることを確認し,考案方法の有効性を実験的に確認できた.さらに,動画の記録可能な時間を延ばす,方法として回折格子により参照光パルスのパルス面を傾ける方法を検討した.この回折格子を試作し,回折格子により参照光パルスのパルス面が傾けられていることを実験的に確認した.本回折格子をもちいることにより,フェムト秒光パルスの伝播の動画の記録時間を10倍延ばすことが可能になる.さらに,高解像動画像を目指して,書き換え可能なホログラム材料へのフェムト秒光パルスの伝播を記録することを検討し,光導電性プラスチックを記録材料としてフェムト秒光パルスの伝播の動画記録実験を行い,所望の動画が再生できることを確認した.
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